膝の水

Q.膝の水を抜くとくせになるというのは本当ですか?

 

A.中高年になると慢性的な膝の痛みに悩む人が増えてきます。
その原因となる疾患で最も多いのが変形性膝関節症です。変形膝関節症とは関節のクッション役になる軟骨が磨り減り、弾力を失った状態のことをいいます。日本では60代の女性の半数近くが発症しているといわれています。
変形性膝関節症は、いったん発症すると完治することはなく、何年もかけて徐々に変形が進み、悪化すると痛みの原因となります。
正常では、膝には2ccの関節液があります。
この関節液が軟骨に栄養を運び、関節の衝撃を緩和したり、膝関節がスムーズに動くように潤滑剤として働いています。
ところが、炎症が起こると関節液が大量にたまり、腫れや痛みの原因となります。この関節液を抜いても何度もたまるというのは、炎症を抑える治療をしないからであって、くせになっているというわけではありません。
治療には、炎症を抑える内服薬や貼り薬のほかに、直接関節内に薬(ステロイド薬やヒアルロン酸)を注射する関節内注射という方法があります。適切な治療を 行えば、関節内の炎症も減るため、関節液がたまる回数も減り、痛みのない生活を取り戻せる可能性もありますので、専門医にご相談されることをお勧めします。

2012年1月20日4:00 PM